Blender箱クマ本、読み返しのすすめ。
Blender CGイラストテクニック、序盤のモデリング部分で止まっていませんか?
せっかく手にしていただいたのに、ほんの一部しか読まないで終わってしまうのはもったいない! ということで、本書をより深く楽しむきっかけに再度紹介しましょうね。
パラパラめくってどこからでも読める本です。
この本は、「たしか、あのへんに書いてあったはず」と調べて、何年でも使える本です。3DCGを作るための知識はツール操作の他にも幅広く、プロでなければ全て覚えていることは難しいですよね。ですから、忘れたときに思い出せる本が一冊あると便利です。将来バージョンが変わって、ボタンの位置や操作方法が多少変わるかもしれませんが、考え方そのものが変わることはしばらくないでしょう。
ですから、この技術は中級者だとか上級者だとか決め付けずに、こういうことをしたいならこういう考え方、こういう方法がありますよ。と一通り紹介しています。
「こういう形をモデリングするのに便利な機能があったはず」というのも載っていますし、「カメラのボケってどういう条件で強くなるんだっけ」にもお応えします。「影がくっきりしたり、ぼやけたりするの、なんでだっけ」もちろんすぐに思い出せますし、「リアルな質感って、案外少ないマテリアルで表現できたはず…」これを知らないで検索したら、複雑なノードばかり見せられて挫折しちゃうかもしれません。
モデリング以外も楽しいBlender!
もし、ライティングにもカメラにもこだわらなかったら、こんな絵になっちゃうかもしれません。実際、初心者さんは作ったもの全体を画面に収めて、作っていない部分が見えちゃってる事も多いです。これでは「こんなモデルを作りました」という報告にしかなりませんね。
同じモデルを使っても、絵を作ることを意識すれば、テレビを見て夜更かししちゃった箱くまが朝寝坊している様子を、こんなに可愛く描くことが出来ます。
この本、実はモデリングが主役ではなく、ライティングやマテリアル、カメラの設定といった知識を学ぶことで、絵作りを楽しむことが主役です。Blenderでキャラクターを作りながらモデリングを学ぶ本は沢山ありますが、美しいレンダリングに必要となる、写真撮影のテクニックを3DCGに応用する本は他に見かけません。
そこでこの本は、
・同じ3Dモデルでも見違えるようにきれいな絵を仕上げること。
・絵に物語を持たせることで、作品を見てくれる人が楽しめる絵作りを行うこと
が目的となっています。作って楽しい、見て楽しい絵。
とはいえ、これから初めて触る方にはモデリングの知識も必要ですから、半分を割いてモデリングの知識、技術、考え方を養う練習を。残りの半分でマテリアル、テクスチャー、ライティング、カメラについてを書きました。
モデリングの章はプリミティブ以降読み飛ばしても、後半のレンダリング設定を読めば、質感もライティングもカメラも決まって、見栄えのする絵に大変身します。モデリング各章の扉絵では、そこまでに紹介した技術のみを使用してモデリングすることで、「もう自由に絵が作れますよ」という証明をしています。
モデリングの作例を一緒に作っていて、「作例のようにきれいにレンダリングできない」と気付いたなら見る目がある証拠。すぐにページをめくって、後半を読みながらライティングを楽しんでください!きれいに仕上げられる自信が付けば、モデリングはもっと楽しくなります。
焦らず楽しむBlender
「3DCG=モデリングだ!」と最初からモデリング技術の理想を高めすぎると、やっぱりそれは難しいです。独学だとなかなか上手く行かないもんだから、すぐに楽しくなくなっちゃいます。それよりも、楽しい時間を過ごしながら、気付いたら上手になっていた。の方がずっと近道!
自分の好きな絵、笑っちゃった絵、癒された絵、それらは必ずしも技術的に高度で緻密なものとは限らないはずです。すごい!と言われることよりも、楽しいCGを気軽に作って遊ぶのがオススメ。もういちど本を開いて、いろんなページに目を通してみて下さい。まだまだ楽しそうなテクニックを見落としているかもしれませんよ~!