Blender2.8対応の本が出たよ!
本日9月20日発売になりました、『無料ではじめるBlender CG アニメーションテクニック ~3DCGの構造と動かし方がしっかりわかる 【Blender 2.8対応版】』という本を書かせていただきました。今日はこの本のご紹介!
目標は誰も脱落しない本
本書は私にとって2冊目の著書となります。前著「Blender CG イラストテクニック」は、技術に難しい/簡単を決めつけずにフラットに扱った、末永く活用できる本に仕上げています。しかし今回の執筆では、簡単なところから足場を固めて次へ進む、読み続ける限り誰も脱落しない本を目指すことにしました。
なぜかといえば、Blenderが2.8となり、見た目も変わって、とても多くの注目を集めたから。他のCGソフトから移行を考えている方、Blenderに何度も挫折して、UIが一新された今度こそと挑む方、Blender2.7シリーズを使っているけど、2.8は変わりすぎたから様子見しているという方、今まで3DCGとは無縁だった方(VRChatのアバターを作りたいとか)、もう本当に多くの方々がBlenderに注目しているのを感じていました。
(その後、有名各社がBlenderを支援するという話題で盛り上がりましたが、その頃にはほとんど書き上がっていました。笑)
特にリアルタイムレンダラーEeveeの登場と、ユーザーインターフェースの変化は大きく、従来の右クリック選択という独特の操作から、一般的な左クリック選択へと変更されたこともあり、使いたい理由と、これなら自分にも扱えるようになったんじゃないか、という期待感が揃ったわけです。
となれば、これを裏切らない入門書が、大急ぎで必要になります。
『Blenderアニメ本ゲーム式』
本のタイトルが決まるまで、ずっとこの名で呼んでいました。今回の目標は、できるだけ誰も脱落しない、いつのまにか一通りの操作ができるようになる本です。『決して単純ではないのに、楽しんでいるうちに誰もが自然と身につく』といえばゲーム。それはどうしてだろうと考え、本書を書き始めるときの企画として、ゲームのように『ひとつ学び、自分で考えて応用することで身につけ、その上に出来ることをまた一つ増やす。』というカタチを提案しました。
なので本書では、一章やChapter.01といった呼び名ではなく、Stage1-1と呼び、Lessonで学び、Challengeを自分の力で達成できたらStage1-1はクリアーだよ!という形を取り、学習する順番も詳細に決めています。
また、BonusStageやExtraStageは、ゲーマーに馴染み深いワクワク感を用意したくて、必須ではない知識をBonusStageに、アニメーション以外の知識をExtraStageに、それぞれ記しました。紙の本ではDLCというわけには行きませんので、最初からシーズンパスが全部入りです。(笑)
『〇〇だけ』学ぶステージ
本書では、ほとんどのStageで予め用意されたシーンファイル(.blend)から学習を始めますが、たとえば、Stage1-5で使うファイルには、Stage1-4までで学んだことは設定済みになっています。これは、各Lessonで学ぶことをひとつに絞るために考えたルールです。
学ぶべき新しいことはひとつだけ。これなら難しくなく退屈すぎず、理解しながら次々進めていけそうですよね。でも各ステージの最後にはChallengeというボスがいます。ここはいくつかのLessonで学んだ事を覚えていなければ、クリアーすることは出来ません。なので各レッスンでは、何のために、どういう事をしているのか、応用したらこんなことが出来そう!と考えながら進める必要があるわけです。
考え、理解する余裕を作るために、「〇〇だけ学ぶ」ステージをデザイン。これが本書の特徴です。
新しいレンダリングエンジン『Eevee』
本書はタイトルからも分かる通り、アニメーションに力を入れた本です。しかし、Blender2.8ではUIが大きく変化したため、アニメーションだけ紹介したのでは作品を仕上げることが出来ません。
前著でもレンダリングには重点を置いて紹介しましたが、Cyclesも当時から進化し、話題のリアルタイムレンダラーEeveeも搭載され、さらにモデリングなどの作業時にも使われる軽量なWorkbenchも追加されたため、これらをしっかり紹介する必要があります。EeveeはCyclesの基礎なしには使いこなすのが難しいため、ExtraStageとしてレンダリングやマテリアルについて、基礎から順に学べるようにしました。
ExtraStageでは、モデリングについても最初の一歩を踏み出すのに十分なチュートリアルを用意しました。これはBlender2.8のUIでどのように操作するのかを一度体験することで、学習の恐怖感を取り除くのが目的です。前著で多くのページを使って解説した機能は、いずれもBlender2.8に引き継がれています。合わせて読んでいただければモデリングについても理解が深まることでしょう。
SNS用ハッシュタグ #箱うし本
ゲームの進捗や、嬉しかった場面、面白かった場面はSNSで共有したくなりますよね。他のプレイヤーがいることで遊ぶ意欲につながることもあります。そこで本書では、『#箱うし本』をつけてアップしよう!と提案しました。
積んでないぞ!ここまで進んだよ!このやり方知らなかった!なんてことから、もうそんなに進んでる人いるの?!っていう追い風にもなりそうです。ゲーム同様、用意された方法だけが遊び方じゃないので、思いもよらないような画像や動画が見られるんじゃないかと楽しみにしています。
できるようになるって、楽しい
私は最近、VRChatのアバター作りを楽しんでいます。ほんと数日前に始めて、人に教えてもらったり、インターネットで調べ回ったり、山盛り失敗する日々ですが、超楽しいです!気づけば朝からパンしか食べてない、そんな勢いでハマってます。
新しいことを始めると、Twitterで自分に集まってくる情報が変わってきます。今まであまり興味がなかったスタイルのモデリングも、そのスゴさが解るようになってくると見え方も違ってきました。
好奇心が刺激されると、繰り返しの日々がガラッと変化してきますよね。Blenderを学ぶことでもまた、その体験ができることと思います!そして本書にはアバター作りにも欠かせないボーンとウェイトについてのステージもありますし、Blenderを使えるようになったら、楽しい使いみちのひとつの候補になると思います、VRChat。(笑)
・・少し脱線しましたが、皆様のお役に立てるよう、たくさん工夫して書いた本です。ぜひ全ステージクリアーして、あなたもリリース前のデイリービルドで新機能を試すようなアツいBlenderユーザーの仲間入りしてください!たーのしーい!