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うしろぐ

作ってあそぶよ

一晩でフリーソフト使ってゲームモデル作った話。

3DCGのお話

先日、id:gigi-net に半ば無理矢理Unityゲーム用モデル作らされたので、3DCG制作手順をまとめておこう。

 

私自身3DCG作りを仕事にして十数年、この程度のことは頼まれて出来ないことではない。しかしゲーム作るなんて聞いてなかった私の荷物はiPad一枚。これでは無理だ。出来ると思うほうがどうかしている。たとえパソコンが借りられたとしても、3DCGツールってのはどれも高級で、MAYAとかMAXとかSIとかLWとかC4Dとか、機能全部入りの統合3Dソフトってのは10万円未満で買えるものではなく、誰もがインストールしているわけはなかった。

 

 

・・・・そう、Blenderが頭角を現すまでは。

 

数十万円のCGソフト数種が一本の無料ソフトで代用出来そうだと話題なのが、このBlenderというやつだ。インターネットにさえ繋がっていれば、WindowsだろうがMacだろうがLinuxだろうが、すぐに制作環境が整ってしまう。だからその場で人様にMacBookAirを借りて、Blender(ともう一本、無料で使える素晴らしいモデリングソフトSculptris)をダウンロードし、一晩でゲーム用3Dモデル・アニメーション作る荒業が実現した・・というわけだ。

 

 以下にその工程を並べ、メイキングとしよう。

 

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1.スカルプトモデリング

今回は複雑な形状を一晩で作るため、モデリングにはSculptrisを使った。Sculptrisはポリゴンの存在を意識させず、ツールも数える程度に絞込み、造形に集中させてくれる最高のモデリングソフトだ。

(これは教わらなくても楽しめる。Mac/Win版あり。詳しくは解説Wikiなど参考に。)

 

様々なモルボル画像とにらめっこしながら造形。2Dも3Dも資料の数が仕上がりを決める。本当はオリジナルキャラと言い張れる余地を残すつもりだったが、残念。

 f:id:lightwave:20121021122714j:plain

 

2.テクスチャーペイント

本来UV展開という面倒な工程がある。しかしSculptrisは自動で処理し、その存在すら感じさせない。色を選んで塗るだけだ。よりクオリティの高い仕上がりを望むなら、ブラシテクスチャーについて調べるといい。モルボルの着色には最初から用意されているテクスチャーをブラシに使った。

 f:id:lightwave:20121021124021j:plain

 

3.ポリゴン数を削減

ここからはBlenderの仕事に移る。OBJ形式で出力したおよそ48万ポリゴンのモルボルとテクスチャーをBlenderに読み込む。しかしこの48万という数字、ゲームに使うには多すぎるので1/100程度にまで減らさねばならない。下の画像がその結果だ。Blenderの機能を使い、およそ4,800ポリゴンまで減らしたのが左側。密度がまるで違うが、ディテールを損なわないことが重要になる。

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4.ノーマルマップで転写

PS3やXBOX360などのゲームグラフィックが凄いのは、ノーマルマップと呼ばれるテクスチャー技術の登場が大きく影響している。極端に言えば、ポリゴン数がどれだけ減ろうが、輪郭以外ほとんど遜色なく見せる事ができるのだ。下図を一目見てポリゴン数に100倍差があると気付くことはないだろう。

BlenderではBakeという転写専用の項目があるので、そいつでノーマルマップとテクスチャーマップを転写した。ポリゴン数の削減を行うとUVマップが無くなるので、Blender側で自動展開を行なっている。自動でこのクオリティだから素晴らしい。

 f:id:lightwave:20121021143341j:plain

 

5.ボーン、ウェイトマップ

キャラクターをアニメーションさせるには、関節や骨の影響範囲を設定してやる必要がある。これも本来相当大変な作業だが、Blenderの自動ウェイト設定の優秀さと、直感的なウェイトペイント機能のお陰で、眠気に襲われながらでも問題なくセッティングできた。脚はほぼそのままで、顎の影響範囲を少し直しただけだ。

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6.アニメーション

シューティングの敵キャラとなるため、動作はひとつのループで十分だった。もしこれがアクションゲームだったら一晩とはいかなかっただろう。脚にIKを設定することで完全に接地し、頭を動かすだけでダイナミックなアニメーションに見える。もちろん最終的には各脚がウネウネと動くように作り込んだ。

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7.Unityへ送る 

こうやって完成されたデータはFBXというファイル形式に出力することでUnityへ読み込ませることが出来る。今回データを渡してから先の作業は全てid:gigi-netにお任せしたが、じつはライティングも大切な要素だ。無料版Unityは影を落とせないが、それでもライトを上手く設定すれば見栄えは大きく変わる。

 

左が1つのDirectional Light、右が3つのDirectional Lightだ。メインのライトが顔を強く照らし、暗くなった部分を弱いライトで少しだけ照らす。最後に輪郭を際立たせるよう、強烈なライトを背中に当てた。これは基本的な最低限の設定で「3点照明」をググるといい。Unityの場合マテリアルのSpecular Colorでハイライトの強さと色をコントロールし、Shininessでハイライトの大きさを変更する。これを小さく強くすることで、ヌメっとしたウェットな質感となった。

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8.完成したゲームはコチラ。

全部で3ステージ。見た目はチープだが、遊んでみると面白い。

「Zキーでオプションのロック」をマスターすればクリアできるはずだ。

ボスキャラとして現れるモルボルをぜひ打ち倒してもらいたい。

 

かわずたんは呪われてしまった!

http://www.kawaz.org/projects/kawaz_shooting/

 

 

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