うしろぐ

作ってあそぶよ

UE4でLUTを使った色調整をするよ。

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UE4マーケットプレイスLightroomという美しいシーンが無料提供されたんだけど、ここで使われているPostProcessのColorGradingが素晴らしかったので、忘れないうちにメモしておくよ。

・LUT(色対応表)を使うと何が出来るの?

PhotoShopなりを使った色調整の結果を、UE4の画面に反映することが出来ちゃう。

映像だとレンダリング後にAEでカラコレしたり(Blenderユーザーはコンポジットノードを使ったり)するけど、作業中もずっと最終結果の色で見ていられることになるね。

ゲームだから当たり前なんだけど、映像CGに馴染んでると、ポストプロセスエフェクトや色調整がリアルタイムってすんごいなーって。

 

・おおまかにどんな作業?

スクリーンショットを撮って、PhotoShopなりの調整レイヤーで色調整。この結果を反映させたLUT画像をUE4に読み込むことで、同じ色になるって流れ。単純!すごい!

 

・手順

まずは以下リンクからLUTの画像(RGBTable16x1.png)をダウンロード。大事に保管しよう。

Unreal Engine | カラー グレーディング

 

用意ができたら、UE4の画面をプリントスクリーンしてPhotoShopに持ち込もう。

この時、すでにColorGradingされていると面倒なので、チェック外すの忘れずに!

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次に、このスクリーンショット上にRGBTable16x1.pngを配置。

この上に好みの調整レイヤーを重ねて好みの色に仕上げよう。

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好みの色が出来たら、LUTのレイヤーをCtrl+クリックで選択した状態で、画像の統合。

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コピペして256x16のLUT画像が出来上がり。非圧縮で保存しよう。

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これをUE4でインポート。

LOD GroupをColorLookupTableにして、sRGBのチェックを解除。

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最後に、ColorGradingのチェックを入れて、自作LUT画像を指定すればできあがり!

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これを使えば、極端な話、階調の反転だってできちゃう。すごい~!

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取り急ぎこんな感じで使えました。

もっとスマートな手順があったら教えて下さい、書き換えますw

 

すごすぎるiPhoneゲーム4選+1

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近頃またiPhoneのゲームが良作揃いになってきました。

グラフィックがすんごい綺麗で、しかも面白いなんて、ズルい

Twitterで紹介するだけじゃもったいないのでBlogにまとめますよ。

 

MONUMENT VALLEY


Release Trailer - Monument Valley Game - out 3rd ...

 

不思議な世界を旅する、パズルゲームです。

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パズルといっても難しくなく、面倒でもない、ちょうど良さ。

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美しい映像と音楽で、世界観がすーっと入ってきます。

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ずっと浸っていたくて、一気に遊んでしまいました。

クリア後も、何度も繰り返して訪れたくなります。 

 和紙の質感が上品なパズルゲームです。

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タップすると、繋がった同じ色の紙を塗り替えられます。

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画面下に指示された手数で、全てを同じ色にします。

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1手多くてもクリア出来ますが、くやしくて再チャレンジしてしまいます。

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3手で全て塗り替えるには、どうしたら良いでしょう?

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悩む加減がちょうど良く、解けると嬉しくて手が止まりません。

シンプルなルールなのに、意外な解き方に驚きます。

 

KAMI
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SAMURAI SANTARO for iOS/Android

 

 時間や環境の演出がとても美しい、流鏑馬(やぶさめ)アクションです。

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さらわれた姫を助けに、ひとり旅立ちます。

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コインを取りつつ、的や敵を射抜くゲームです。

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少しくらいミスしても良い評価をくれるので、1ステージごとに能力を強化できます。

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日差しの強い、ビーチを駆け抜けたり

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砂漠でボスと戦ったり、三太郎の旅は世界を駆け巡ります。

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コインを集めるゲームには飽き飽きでしたが、

このゲームは難易度の上げ方がとても上手で、

危なかった~!という緊張感あり、諦めるほど難しくはない見事なバランスです。

クリア後はHARDモードが遊べます。

 

無料版と有料版の差は、ステージクリア後の広告の有無です。

SAMURAI SANTARO - 暗黒の陰陽師
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Smash Hit


Official Smash Hit Launch Trailer - YouTube

 

金属球で障害物を壊しつつ、球が尽きるまでに進んだ距離を競うゲームです。

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ガラスがとても美しく、砕ける様子も見惚れるほど。

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クリスタルを壊すと、残りの球数が増えます。

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アイテムを取ったり、取りこぼさず命中させることでパワーアップします。

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洗練されたムードのなか、割れるガラスの美しさがマッチして引き込まれます。

スコアアタック動画も投稿されているようですよ。

Smash Hit
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さいごに紹介するのは、札幌ゲーム制作者コミュニティKawazの作品。

 

Wave Weaver Trailer

次々と押し寄せる波と、同じ色をタップして乗り越えてゆくゲームです。

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進むほどに色が増えて難しくなります。

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クリアまでたった60秒、生き残ることがタイヘンです。

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やられても、すぐにリスタートできます。

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最初はLEVEL1もクリアできなかったのに、

繰り返し遊んでいると、進めるようになるのが不思議です。

・・・が、私はまだまだ60秒クリア出来ません。

難しいゲームが好きな方、ぜひ挑んでみてください。

Wave Weaver
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【BitSummit】寿司とカニが闘う、海鮮格闘ゲームとは?【EF-12】

eスポーツ対戦格闘ゲーム、EF-12がBitSummitに出展。

それに合わせて行われた、ボスキャラクターデザインコンテスト『エフコン2』に応募した磯臭いお話ですよ。ちなみに、BitSummitはインディーズゲームの集まるイベントだそうな。

日本最大「BitSummit 2014 -京都インディーゲームフェスティバル-」/京都府ホームページ

BitSummit MMXIV: Sound + Vision, Kyoto Indie Game Festival

会場地図を見ると、クアッドアローは出入口すぐの所で展示しているみたいなので、行く予定の方はぜひ。

 エフコン2結果発表!

EFCon-2 [2014 BitSummit] | Project [ EF-12 ]

ボスキャラ”Asura”部門 1st – KingCrab(和牛先生 さん)

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 ということで、私が今回作って応募したキャラクター『KingCrab』(和訳するとタラバガニ)がEF-12に制式採用していただけるそうです!やったー!

 

追記:海鮮格闘がYouTubeにアップされたぞ!


King crab vs Angry osushi - YouTube

コンテストは2回目

実はエフコン、以前にも東京ゲームショーに合わせて行われました。その時採用していただいたキャラクターのお話はこちら。

【EF-12】格ゲーキャラは自作できるッ!【Blender】 - うしろぐ

僕のキャラクターが東京ゲームショーでデビューするらしい。 - うしろぐ

デザイン

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 さて今回もデザインは鉛筆から。そのなかで一番シルエットがしっくり来たアイデアスケッチを元に作り始めました。ボスキャラ氏は、有機的なカニ外骨格が防御にも攻撃にも優れているという結論に至った!・・というコンセプト。

 

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 iPadで色付きイメージを描いたり、加工ソフトで遊んだり。応募直前までキャラクター名は『カニ男』でした。ファイル名もkaniotoko.blendですw

 

 

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モデリング直前、通勤時間にiPadを使って、さらにデザインや設定を考えます。ネタキャラっぽいけど、わりと本気なことを伝えるためには、カッコいい要素が必要です。

モデリング

Blender用に配布されたデータを読み込み、同じ構造でベースメッシュを作っていきます。元々は6本腕の阿修羅な素体。ちょっとイメージの掴みにくいポーズですが、従うが吉。

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最初はこんな感じで探りつつ。

 

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パーツごとにSculptrisを使ったり、

 

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ZBrushを使ったりしています。

 

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半分は、ポリゴン数削減したものにノーマルマップで転写。しかし、このポリゴン数では規定の10倍位になりそうだったので、手動でリトポしなおしました。このあとBlenderのテクスチャペイントで塗装します。

コンバートと動作確認

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 一発でうまくいくなんて、そうそうありません。回転がおかしかったり、テクスチャが出なかったり。ちなみにこのまっくろ現象は、配布されたBlenderファイルにNullが含まれていたのが原因でした。

 

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ノーマルマップが正しく表示されない問題も起こりましたが、これは古いコンバーターを使ったのが原因でした。真っ黒の原因を探っているときに、一度古いコンバーターへ差し替えたのでした。

 

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ちゃんと表示されたら、デザインの修正です。モデリングしてる時には実際のポーズやアングルでどう見えるか分からないので、カッコ悪く見えるアングルでスクリーンショットを撮って対策を考えます。ボスなのに横姿がペラくて迫力無いですね。

 

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PhotoShopで描き足して、修正案を考えます。大きな違いは胸部の厚み、太腿からの突起を角度変更(腕に隠れていた)、肘に突起を追加、顔にディテール、といったところです。ついでに暗いステージで目立つための発光パーツも描き足し。

 

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こうなりました。いろいろトガッてて強そうでしょう?

 

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最終モデルをBlenderで表示したものがコチラ。GLSL表示は立派に見せてくれるので、どの程度再現されるのか、得意な表現は何かなど、カンを養う必要がありそうです。

せっかくなので

 ボスキャラに応募された寿司が闘う映像が話題になっており、私もうっかり蟹を作っていたので、なんだか雲行きが磯臭くなってきました。


EF-Con2 AngryOsushi - YouTube

そこで【EF-12北海道物産展仕様】を作って遊んでみたものがコチラ。

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もうひとつのボスキャラ素体を元にしたサーモンとイクラ。半透明を自由に設定できないので、イクラの表現が難しいです。今回は追求せずに遊びということで。

 

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 Blenderではこんな感じ。 制作のため集めた22枚もの厳選鮭写真フォルダが生臭いです。

 

また今回は、教えに行っている専門学校の授業にも取り入れ、応募まで漕ぎ着けました。EF-12ならプログラミングが得意でなくても、自作モデルで本格的な格闘ゲームが作れる。この体験はステキ。結果発表ページにいろいろアドバイスも書いていただけたので、皆EF-12でゲームグラフィック経験値稼ごうぜ!

【GGJ2014】OculusRiftは僕達のためのデバイスだった!

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48時間でゲームを作る世界規模のお祭り『Global Game Jam 2014(GGJ)』に参加してきましたよ!今年は夢かなって見上げるゲームが出来上がりました。さっそく遊んでいただける方はこちらからどうぞ。

AKABECO | Global Game Jam

昨年、一昨年に続いて3度目の参加となりまして、昨年の思い出はこんな感じでした。

 

 

 今年の札幌会場は、昨年60名から80名に膨れ上がり、相変わらず国内2番目の規模。そろそろゲーム開発の中心地は札幌に移すべき。会場の池上学院グローバルアカデミー専門学校、総合ゲーム学科からも多数の学生達が参加していましたよ。

三度目の意気込み

2年連続一生懸命やったので、今年は「ゆるーく参戦して無事完成しよう」を目標にしていました。 もう3DCGも作らない、パソコンすらも使わないGGJもいいね〜なんて話してて。・・・でも結局、今年も一生懸命やっちゃいました。フタを開けてみれば面白い人達が集まっていて、ユルいゲーム作るには勿体無い開発力だったのです。作れる人は十分に居るし、使えるネタが豊富だったので、CG素材作りより企画に集中させてもらった楽しい3日間でした。

 

今回の武器は以下のとおり。

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まるで仕込みのような偶然が一致して、最高の体験を作り上げることに成功しました。せっかくなので、この記録を残しておきましょう。

企画 

今年は本当に何も考えていませんでした。事前ミーティングにもウチのチームは集まらず、悪巧みのしようもありません。ただ、あまりにセオリー通りのゲーム開発も退屈なので、前日には粘土や絵の具やNERFを用意。

 そんな事をしているとアイデアは勝手に生まれてくるもので、せっかく早めに布団かぶったにもかかわらず、2つのゲームアイデアが頭のなかで動いていました。

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 ひとつは、小人へ向かって直進する巨人を誘導する迷路レース。

上段と下段で別の障害があって複雑になる感じ。

不慣れな粘土細工で作ってもらったら面白そう。

 

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 ひとつは、ペットボトルロケットの様に初速が一番早いレースゲーム。

徐々に減速し、チェックポイントを通過すると再加速する仕組みで、

各チェックポイントで余したタイムの合計を競う。

何周する昨今のレースゲームより、アーケードのレースゲームが熱くって。

GGJ 2014 札幌:当日

 テーマが発表された。英語を読み上げるためだけにgeekdrumsくんが呼び出される。

和訳すると「私達は物事をあるようには見ないで、私達が在るように見ている。」

となるそうな。アナイス・ニン - Wikipedia

 メンバーそれぞれ何を出来る人なのか確認しあって、さっそくアイデア出し。ネタはあっても最初は皆で話し合って、JAMを楽しみます。あまり苦労したくないからキューブみたいなキャラクターをコロコロ動かすとか、テーマは和訳忘れたし背景含めた画像だからテクスチャに貼っとけばオッケーとか。各々がゲーム作りたいと思ったキッカケとか、後に実現することとなる「つい身体が動いてしまうようなゲーム」とか。

いろいろ話し合っても具体的な形は見えてこず、「和牛先生はどんなの考えて来たんですか?」と聞かれたので昨晩のアイデアを話したところ、でっかいのとちっさいのが受け入れられて制作が決定しました。今回も僕の遊びたいゲームが形になってホクホク。

kszさんに聞くと、プログラム的にはさほど難しくなく、プロトタイプも終電までには出来そうだとの話なので、Unityはkszさんと松田くんにお任せし、デザイナー会議および他チームのスパイ活動へ出掛けます。

 デザイン

ほどよくリーダー不在時間を作って帰ると、いろいろアイデアが生まれていました。メンバー皆、指示されなくても自分たちで考えて楽しむ人達と分かり嬉しかった!キャラクターを抽象的な物にする案とか、ゲームをより複雑にする案とか、いくつか聞かせてもらったのだけれど、嬉しいと同時に、企画の軸が伝わっていないのを察知。いったん全て忘れてもらって絵を描くことに。

ホワイトボートと口頭説明だけじゃ、まだ誰もイメージ出来ていない。それにどうしても巨大な存在を前にすると戦ったり倒す発想が生まれる。違うのだ。競走馬を飼う様な関係なのだ。『懐いて付いてくるでっかい動物をゴールまで導くタイムを競う、遊牧民族のスポーツ。』間違って踏まれたら死んじゃうだろうけど、敵意はない。愛情に満ちた競技。

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デザインは『シンプルで、わかりやすく、他と違う。』

だからまず人型を外しちゃいけない。モンスターのようなトゲもダメ。翼もダメ。脚や腕を増やしてもいけない。怖くしちゃいけない。この動物は普段何を食べるんだろう?ぶつくさと呟きながら絵になって来たところで、菅原さんがツノを付けるアイデアを見せてくれた。以前Ludum Dareで作ったEncounterのキャラにも見られた特徴的な(ひっくり返すと脚みたいな)ツノだ。

 

動物として牛の印象は調度良い。デザインも程よいシンプルさと特徴。スポンサーのレッドブルも牛。そして日本語で『赤べこ』(初期は小さい方のキャラクターに考えていた)

・・・たぶん和牛先生の名も引っ掛けている。

OculusRift、現る。

 自己紹介のとき「私は見学みたいなものなのでー」と遠慮していた本田@hiroyuki_honさんが、OculusRiftを取り出したのはこのタイミングだったろうか。我々『Oculusが何かは知っているけど実際に見たことは無い』勢がどよめいた。巨人を見上げるコンセプトに最適すぎてヤバい!まるで初めから企てていたかのような運命的アイテムの登場であった。

 

 Oculusとは、開発者向けに販売されているヘッドマウントディスプレイで、立体視はもちろんのこと、頭の向きや角度を感知して、プレイヤーの向いた方向が見えるという未来デバイスなのだ。

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さっそくデモを見せてもらうと、写真がぐるっと見渡せる!手前に写った人物が超でかい!MMDっぽい町並みが移動でき、そびえ立つチェルノ・アルファがでかすぎる!酔う!見上げるという行動が伴うと、同じ絵でもスケール感の桁が上がる。今作で目指している巨大感が、Oculus体験で一気にチームに共有できてしまった。

スカルプトモデリング(非3DCG)

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私は粘土造型にも慣れているので、道具だけを提供して、デザイナーの菅原さん、プリニーくん、自称雑用係三浦くんにファンドやエポキシパテをこねてもらった。これを再現する形でCGを作る。UnityのシェーダーはCG臭さが半端ないので、粘土で空想した世界で遊ぶゲームを想定し、写真テクスチャを貼りこむ作戦だ。へたくそゆえの指紋や皺やひび割れがリアルさを出す。

テクスチャーペインティング(非3DCG)

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 3DCGやBlenderやUnityの話を期待している方にはもう少し待ってもらおう。誰にでもできる確実な手段は仕事でやれば良い。私はGGJを全力で遊ぶために参加しているので、いつもの遊びで蓄積した手法やアイデアをいっぱいミックスして試す。世界広しといえども我々にしか作れないゲームを作る。

札幌は特に個性的なチームが多く、また奇抜なだけでなく高いレベルで必ず完成させるのが自慢だ。(アナログチーム、ファミコン実機動作チーム、ひとりチーム、etc)

ここでは珍しく私も作業。地面のテクスチャを描きました。筆を使わず、紙切れやティッシュを使って複雑な柄を出します。

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 SculptModeling

そしてようやく3DCGモデリング。個人でZBrushライセンス買っちゃった系意識高いCG学生山猫くんに、キャラクターモデリング(オイシイところ)を全ておまかせ。ZBrushモデリング、ZRemesherで減らしてBlenderへ。UV、TexturePaint、Boneを設定してUnityへ。今回も.blendファイルで受け渡しです。

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 3D Animation

プログラマが休憩に帰っている間、デザイナーは可能な限り素材を用意します。山猫くんがテクスチャ進めている間に、私がボーンとアニメーションを作りました。とにかく急いで本番モデルと同じ構造の仮モデルを表示させてみないと、Unity作業もやりにくい。(そういえば初日からWindowsアップデートでUnityのテストファイル消えましたね、恐るべしマイクロソフト!)


akabeco walk - YouTube

ゲーム部分の悩み

眠りに帰るとき、必ずホワイトボードに現状を書き残して行きました。デザイナーはコレ作ってプログラマに渡してね、手が空いたらコレ作ってね、残りのタスクは何と何と・・などなど。そうすると後回しにしていた致命的な問題が思い出せます。今回で言えばゲームマップです。アカベコ用迷路の作り方、そしてそれを面白くする地上の障害物。

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これはUnityテスト用に作った仮モデルで、初級・中級・上級の3コースをレベルデザインするため、簡単に作り直せる事も重要でした。テキストファイルに応じて障害物を配置する方法など可能ですよと提案頂いたけれど、見た目を犠牲には出来ず悩むことに。

 

しかし考えていれば何でもヒントになるものですね。眠い目をこすりながら地下鉄に乗ると、『選んだ道で距離に差が出る、見た目にも美しいマップ』が足元に描かれているではありませんか・・!もうこの模様マップにしか見えません。

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 眠気も吹っ飛んだので、帰宅後すぐにBlenderを起動。これを素早く絵にして、チームの人達に伝える必要があります。

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斜めに複雑な切れ目の入るマップ、カッコイイ!


akabecoスタート演出カメラ - YouTube

最初にコース全貌を見せて、最短ルートを短期記憶につめ込ませようというアイデア。覚えられるんだけど、地上の障害物を避けてるうちにわからなくなっちゃうバランスが取れると面白そう!

この2つをDMで送って3時間だけの短い眠りへ・・

しかし実はこのアイデア、説明不足でうまく伝わっていませんでした。オープニングカメラはばっちり完成していましたが、迷路そのもののデザイン案であることが伝わっていなかったので急遽説明。リーダーの居ない間に現場で考えていたアイデアよりもこっちが良いと皆の意見が一致したので、三浦くんにマップデザインをお願いすることに。

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後に等幅化のためデジタルで仕上げてもらいました。

一気に完成へ

48時間濃厚すぎて時間軸を思い出せないので、まとめて書き出しますが、菅原さんとプリニーくんにはタイトルロゴのデザインと3DCG化をお願いして、互いの得意を活かすナイスコンビネーションで仕上げてくれました。音楽をお願いしたら明るいイメージが降りてこなくて苦労していたmanzyunくんも、アイルランド音楽をイメージした最高のBGMを作ってくれてから絶好調。実装できなかったけど、深みのあるいい足音も作ってくれました。菅原さんには主人公キャラを別でデザインしてもらい、いい感じに力の抜けたコイツを山猫くんにモデリング、アニメーションしてもらう。

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本田さんとkszさんのタッグでOculus表示もバッチリうまく行き、多少の問題(空から降りてくるカメラをOculus対応に出来ない・SkydomeがFogで消える・ゴール方向を見失う・クリアタイムの記録と順位間に合うか!?etc)を乗り越えながら完成へ向けて猛ダッシュ。最後はもう素材屋が何か出来る時間じゃないので、作ったけど載らなかった素材は当然いくつも出てきます。あと画作りまでお任せ出来ちゃうプログラマkszさんすげぇ。専門分野じゃないのでどうしてもサイズが〜画角が〜照明が〜みたいな話になりがちですが、なりませんでした!

 

私のお仕事は、冷めたピザを6班のゲームだと言い張るデマ画像を流したり、

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チームメンバーに深煎り珈琲を振舞う『喫茶和牛』をオープンしたりです。

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 そして発表前、チーム内Oculus試遊会!役得ヤクトク!

遊ぶ本人も「うわ、でけーー!こええええぇぇっ!!!」って超楽しいんだけど、それを見てる側も超楽しいのです。なぜなら突然振り返ったり、なぜか中腰に踏ん張ったり、手を伸ばしてみたりと、アクションが面白いんですね。Oculusは視線に追従しないので、横を見るには横を向く必要があり、後ろを見るには真後ろを向きます。これが見ていて面白い。プレイヤーは器用にすぐ慣れますから、普段目で行う視線動作の役割を頭全体で行うのです。

発表会と懇親会

発表会では初見のプレイヤーが遊んでいる姿を見てもらいたく、昨年のGGJ札幌オーガナイザーgiginetくんにお願い。楽しそうに動きまわってくれたおかげで会場も盛り上がりました。うっかりゲームルールの説明を忘れてしまって時間内にゴールは出来なかったけど、「続きは懇親会で!」と機転を利かせてくれたので、本田さんよりOculusRiftをお借りして懇親会でアカベコ体験会を開催。買ったばかりのハイスペックPC貸してくれた5班geekdrumsくんにも感謝!

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順番待ちが絶えることなく、「やってみたい!やってみたい!」と沢山の方々がアカベコと対峙して行きました。必要以上のオーバーアクションはゲーム世界への没入の証、kszさんが理想に挙げた『つい身体が動いてしまうようなゲーム』がここに実現したのです。すっかりゲーム慣れした人達の身体を動かした偉業を讃えて、SFCF-ZEROと共に歴史に名を残すべきゲームの誕生です。

自画自賛

Oculusスゴイ。とよく言われましたが、我々もスゴイ!

だって現状、Oculusを活かしたゲームどころか、既存のゲームが稀に対応するかしないかだと聞きましたよもったいない!こんな面白いモノが3万円そこそこで買えて、Unityで開発できちゃうんだからもっと遊びましょうよDevelopment Kitでしょコレ!

 

アカベコは、自分が周囲の迷路を把握しながら進む必要と、ついてくるアカベコの位置を確認するため振り返るアクションが自然と行われます。また、影による位置把握や、接近しすぎた時の見上げ、さらに体験プレイ中にはアカベコが侵入できない天井に隠れて、覗きこむような仕草をする方も居ました。

多くの人達が必要もないのに膝を曲げて身構えたり、もっと没入すると『映画泥棒』みたいな動きになったり。ほんとうに面白いので、Oculusをお持ちの方はぜひ多くの方に体験させてあげてほしいです。布教班もっと!もっと!

 

実はGGJ終えてからOculusで遊びたいアイデアがいくつか浮かんでいます。自宅のお風呂で入浴剤をはるかに超える温泉気分装置(絶対にレンズ曇りますね)とか、Oculusで地球防衛軍シリーズやギガドラが遊びたい(けど公式には出ない)ので、スケールが気持ち良いオリジナルゲーム開発とか、さらには映像作品にも可能性を感じています。2Dゲームと3Dゲームが共存するように、カメラ固定映画とVR映画があっても共存しうると思うので試したい。

あぁ、時間と予算と開発チームと機材があれば、グラフィック凄いでしょ?デモとは別ベクトルで面白いものいっぱい作るのに・・っ!

去年の経験値

最後に、3年目になったGGJですが、やはり今年も前回の経験が生きていて、しっかりレベルアップ出来てるなと実感しました。今年の最重要ポイントは『完成』です。デザイナの様子はちょっと見れば分かりますが、プログラマのお仕事は何が簡単で何が難しく、どのくらい時間かかるものなのかサッパリ分かりません。

ただ、どの役割も皆「最初に決めた必要な物を全部作ろう」とするので、手を付けた順番でこぼれがち。素材は欲しい順位やタイミングもそれぞれですし、後半ギリギリまで作ってるデザイナの「せっかく素材作ったから載せよう」も危険。プログラマには常に負担が集中するので、わからないことは聞いて、積み上がった仕事も聞いて、最優先を決めて、無くても困らない要素は切り捨てる、あるいは面白さの軸をブラさず組み替えることで、完成へ導く役割が必要です。

今年は極力自分で作らず、人に任せることで何倍も良い結果に導くという理想を経験する良い機会になりました。引き続き自主制作映像にとりかかってゆきますEF-12のコンテストも出したいです。GGJ2014札幌6班より、アカベコよろしくっす!

アカベコ | Global Game Jam

Windows版のみですが、Mac版こっそり載せるかも。 

Mac版公開しました!

年賀状はBlenderでつくろう!【特別付録:馬の3Dモデル】

CG好きの皆さん、自作年賀状の用意はお済みですか??

 

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 ・・ワタシはちっとも出来ていません!

 

 さて、そんなわけで。

今回は、素晴らしい機能にもかかわらず無料で使わせてもらっているBlender、そして困ったときに助けていただいた方々へ、Blender布教で恩返し!上記馬のモデルをご提供致します。Blenderユーザー増に少しでも力になれれば幸いです。

私がBlenderへ本格的に乗り換えるきっかけとなった、Blender.jp年賀状コンテスト20122013で入賞させていただいた感謝も込めて!

 

License:CC-0

ライセンスはCC-0、つまり『どのように使っていただいても構いませんライセンス』にしました。年賀状に使うもよし、映像に使うもよし、ゲーム制作に使うもよし(GGJもうすぐだね!)、3Dモデリングの勉強をする参考にするもよし、改造するもよし、商用利用するもよし、エクスポートして別のソフトで使用しても構いません。 

 

モデルについて

テクスチャー、たてがみ、尻尾は付属しておりませんので、テクスチャーペイントやパーティクルヘアーなど活用して、皆さんの好みに仕上げてお使いください。

モデル自体は左右対称ですが、スカルプトモデリングの後、Decimateでポリゴン数を減らし、Smart UV ProjectでUV展開していますので、このままPhotoShopで描くには向きません。 

NormalMapはpackしていますので、他のアプリケーションを使う場合は画像を保存して使うと良いです。 

 

マテリアルについて

レイヤー1にBlenderRender用マテリアルのObjectとLamp

レイヤー2にCyclesRender用マテリアルのObjectとLamp

がそれぞれ設定してあります。不要な方を削除してお使いください。 

 

ダウンロード 

BlendSwapにアップロードしましたので、下記リンクからダウンロードしてお使いください。著作者の表示も報告も一切必要ありませんが、使った作品を見せていただいたりすると嬉しいです。

Horse NormalMap | Blend Swap

年越しはBlenderで!

フリーソフトでイャンクックをモデリング

Sculptris & Blender、いい時代ですね。

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 Sculptris でモデリング

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 Blenderでポリゴン数削減、Normalmap生成、テクスチャ

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そしてボーン&ウェイトマップ。翼だけ簡単にRIG

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 ポリゴン数とか

Sculptrisで155万ポリゴン、Blenderで1万5千ポリゴンまで削減しています。

モンハンはクック先生倒せなくて挫折した人です。モデリングするほうが簡単!

 

iPadでアナログ絵画を。ArtSetPro

 ArtRageに並ぶお気に入りツール

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この質感が出せるペイントソフトは、PCにも無いかもしれない。
それくらい、今一番アツいiPad Appが『Art Set Pro』だ。同じく素晴らしい表現力を持つArt Rageの弱点である、筆の遅延もこちらは無縁だ。
 
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最近は、もっぱらコレで描いている。アナログ画材特有の“偶然”を楽しめる貴重なアプリだ。通勤時間に描いている『珈琲豆を求めて不思議な世界を旅する物語』、いずれ電子書籍にまとめたい。
 
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画材を選ぶのも道具箱から。
多くの画材の他、ティッシュやスポンジ、少量の水や擦筆など、色を混ぜたりぼかしたりする道具も用意される。絵の具を使うときには、絵筆の種類と同時に絵具の量も増減することが可能だ。
 
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色を選ぶのも、55色のセットから選ぶように。
もちろん混色して無数の色を生み出すことが出来る。しかし一般的なペイントツールのようにカラーホイールを使わないことで、かえって色を選ぶことに真摯に向き合うことが出来るのだ。

 

アナログ感が好き。

Photo ShopやSAIよりも、PainterやArt Rageのようなツールが好きな方は間違いなく楽しめると思う。減らない画材を無数の色数手に入れる、そんな気分だ。
ちなみにPro EditionではないArt Setが100円で売っているが、これは見た目こそ似ているものの、似て非なるものなので気をつけていただきたい。
  
 
Art Set - Pro Edition
800円
(2013.11.30時点)
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